日本消費者教育学会 中部支部での大阪府消費者教育学生リーダー会発表

今年度は、学校教育における啓発活動の拡充を重点テーマとして第3ステージと位置付けて活動を行いました。このテーマにした理由は、この7年間にリーダー会が消費者教育の啓発プログラム開発を段階的に進めてきたことにあります。リーダー会では、私たちの毎日の消費行動を見直すことで賢い消費者に一歩進めることができるという考えのもと、選択のジレンマ問題について考えることを啓発活動の基軸としてきました。

発表に至った経緯

上記の考えを啓発教材に具体化したプログラムは以下のとおりである。

  1. Webゲーム「そのときあなたはどうする?」
  2. ワークブック「毎日の行動を見直そう!」
  3. 巨大ジェンガゲーム「そのときあなたはどうする?」

 上記①と②は、学校教育の中で利活用してらうことができるように、①はWebゲームシステムとして開発し、ゲームで遊べるだけでなく、自分でゲームを作ることができ、なおかつ授業で使うことを想定して教員が児童・生徒用専用の閉じた公開ゲームを作ることができる。
 さらに、本ゲームを使った後のアンケートを作成することができることから、授業評価用としてアンケートを利用することもシステムに盛り込んだ。②は、実際に授業時間内で使ってもらうことを想定し、指導案を作成した上で指導案に沿った動画を作成している。
 動画とワークブックで30分間の消費者教育の授業を行うことができるようにした。授業時間内だけではなく、自主学習として児童・生徒個々人でも学習することができるようにした。

 学校教育での啓発活動に利用できるプログラムづくりを積み重ねてきたことから、ワークブックや動画、さらにはWebゲームシステムを使って、教員自らが学校教育の中で消費者教育を実施することができる教材が整った。
 そこで、リーダー会活動において現段階での学校教育への波及に対する取り組み状況について、今後学校教育への活動をさらに進めていくためにも一旦この時点で発表することとした。
 発表は、日本消費者教育学会中部支部で、「循環型ピアラーニングシステムによる大学生期における消費者市民教育2〜初等中等学校への波及」と題して行った。

日本消費者教育学会 中部支部大会

  • 日時:2023年6月3日(土)15:50~16:30(報告30分+質疑応答10分)
  • Zoomにて開催
  • テーマ:循環型ピアラーニングシステムによる大学生期における消費者市民教育2 〜初等中等学校への波及
  • 発表者:荒木友奈、中村美月、藤井千聖(6期生)、岡崎裕(和歌山大学教授)

発表するまでの手順

学会で発表するまでに以下の手順で準備を進めていった。

  1. 学会発表の内容を検討する
    どういう内容で発表するか、検討した。前回の発表はリーダー会が設立された翌年にリーダー会の紹介という形での発表であった。その後7年が経過し、現在はリーダー会で開発した啓発コンテンツを学校教育の中で利活用してもらうよう取り組みを進めていることから、学校教育の中での啓発活動の取組について発表することを決定した。
  2. 発表の分担を決める
    発表時間は30分間と比較的長い。そこで、発表内容を3つに分けて3人で発表することとした。なお、学生発表の前後は岡崎先生から、大阪府の事業及び循環型ピアラーニングシステムについて紹介してもらい、その後学生が発表し、最後に岡崎先生が簡単にまとめることとした。発表内容と担当は以下の通り。
    • 導入:リーダー会について紹介:荒木
    • 学校教育に利活用してもらうためのワークブックづくりの経緯について紹介:中村
    • 今後に向けてどのように学校教育への活動を進めていくかを紹介:藤井
  3. 当日までの準備
    当日までの準備として、各自発表用の資料と台本を作成し、5月28日にリハーサルを行った。当日は、11時に集合し、最終確認を行った。発表時間となる3時30分までにZoom会場入りすることを確認した。
    学生の発表については、当日の最後の意見交換で、リーダー会の活動内容の先進性について高い評価を得た。今後の学校教育での利活用の拡充を進めていくうえで、大きな自信となった。